アパレルの退職金!3年未満はありなし?正社員なら?相場や平均など


アパレル業界、とりわけアパレルの販売職って、かなり入れ替わりが激しい職種です。給与が比較的低いということもあり、キャリアアップなどで転職する人も多いです。

また、女性が中心の仕事なので、結婚や妊娠、出産などを機会に退職していく人も多いですからね。

そこで、アパレルの販売職の退職金ってどれくらいもらえるのか?

勤続年数や正社員でどう差が出るのかなどアパレルの退職金の相場や平均について、詳しく説明していきますね。

もともとアパレル業界自体の給与は高いわけじゃありませんし、役職や勤続年数などでも違ってきますよ。

退職金の計算式って?

まず、はじめに退職金の計算式について説明します。

退職金には、大きく「退職一時金制度」と「企業年金制度」があります。退職一時金とは、退職するときに、まとめて退職金全額が支払われる制度です。企業年金制度は、退職金を、一定期間にわたり、年金として支給する制度です。

退職金は、会社の就業規則や賃金規則の退職金規定に基づいて支払われるので、まずは自社の退職金規定を確認しておきましょう。

ちなみに、退職金の規定は法的な定めがないので、会社によって支給する、しないが違ってくることを理解しておきましょう。

退職時基本給による計算式

退職時の月額基本給×勤続年数×給付率

退職金に影響してくるのは、「退職時の月額基本給」と給付率です。

退職時の月額基本給というのは、退職時の月額給与(総支給額)から諸手当を除いた金額です。

あと、給付率は、勤続年数や退職理由(自己都合または会社都合)、さらには人事査定によって、違ってきます。

平均的な給付率は、約40%~70%程度と考えておくといいですよ。

ただし、退職理由がリストラは希望退職などの会社都合になると給付率はかなり高くなりますよ。

別テーブル方式の計算式

役職などの等級に応じた基礎金額×勤続年数ごとの支給率×退職理由の係数

退職時基本給と基本的には同じですが、基礎金額が役職や等級で決める点が違います。

ポイント制の計算式

評価要素(役職、職能、勤続年数など)にポイントを設定し、累計ポイントに1ポイントあたりの退職金額を掛ける。

要するに、企業が従業員にポイントを付与し、それに応じた金額で退職金を決定していきます。

ポイントは、
勤続年数1年ごと=20ポイント
役職者は、階級ごとにポイント加算
自己都合の退職は、0.8掛け
ポイント単価=10,000円
になります。

退職金は正社員・アルバイト・職種で違うの?

次にアパレルの退職金の支給額に関し、差が出る場合について説明していきます。

支給額は職種や正社員、アルバイト・パートで違う

アパレルの退職金の支給額は、雇用条件で違ってきます。正社員の場合、勤続年数や実力に応じて、昇給があります。また、役職が上がるにつれ基本給も高くなるため、長く働ければ働くほど退職金は高くなっていきます。

アルバイト・パートには支給されない?

マネキンクラブなどからの派遣やアルバイトやパートの場合、退職金はまず出ないと思っていた方が良いです。

勤続年数が長い方などは会社によっては退職金という名目ではなく、何らかの形で数万円程度出るところもあるようですが、ケースとしてはかなり少ないです。

職種で違う

他にも、アパレルでも販売職と営業や企画、MD、デザイナーなど本社勤務の内勤職とでは、基本給が違うため、退職金も違ってきます。やはり、内勤社員の方が、販売職よりも高い傾向にあります。

また、学歴も関係し、大卒の方が専門卒、高卒よりも高いです。

とはいえ、販売職でも店長やエリアマネージャーなどになると内勤社員より基本給が高くなる人もいるため、当然、退職金が高くなります。

僕の経験で言えば、基本給の金額は、営業職、企画(MDなど)が高く、続いて、デザイナー、次にパタンナー、事務職というような順になります。

アパレル販売員の退職金の相場・平均額は?

アパレルの販売員の退職金の相場については、まず平均的な年収がいくらくらいなのかを知ることです。

アパレルの店長で、20代後半くらいで250~300万円くらいです。

30代前半から半ばで、300万~330万円くらい。30代後半から40代前半で330万~350万円くらいです。

チーフ職、スタッフ職なら、この金額の70~80%程度でしょう。

新卒正社員で勤続10年、月収35万円の場合の退職金(自己都合)の相場

月額基本給22万円×10×0.45=約100万

といった感じです。

金額は、勤続年数や給付率で、さまざまに変動しますので、あくまでも目安です。

勤続年数で違う

退職金の額は、勤続年数で違いますが、さらに勤続年数10年以上と10年未満とでは金額に大きな差が出る会社が多いようです。

僕の知り合いでは、結婚で東京を離れるため、勤続9年3ヶ月で退職した人がいるんですが、月額基本給の1ヶ月分程度だったと聞いています。

これが、10年を超えると2ヶ月分とかもっと多かったようです。また、さらに勤続年数が、19年と20年とでは、大きく違ったりもします。

しかしながら、アパレル業界は、今は厳しい業界ですから、企業によっては退職金の規定が見直される傾向にあったりもします。

なので自分が勤務している会社の退職金規定については、きちんと把握しておくことが大事ですよ。

ちなみに、正社員の場合、定年まで勤務すれば、退職金の相場は、最低でも、600万~800万円、役職によって、1,500万~2,000万円くらいになることもありますよ。

3年未満の退職金はどれくらい

退職一時金が支給されるには、最低勤続年数が影響してきます。

多くのアパレルの場合、自己都合で3年未満の場合、退職金は支給されないようです。

会社都合の場合ですと、3年未満でも半数以上の企業が退職金を支給するようです。

丸3年勤続の場合の退職金の相場は、会社都合の場合、30~70万 自己都合なら15~20万円程度です。

アパレルで希望退職した場合の退職金の相場は?

オンワードの場合

希望退職のような会社都合による退職の場合、たとえば、アパレル大手のオンワードホールディングスの場合、どれくらいの相場になるのかをちょっと分析してみました。

オンワードでは、2020年1月7日~30日の期間に希望退職者350人程度募集するそうです。

対象は、オンワードグループに在籍する、40歳以上で勤続3年以上の一般社員とあります。
(販売職は除外)

会社規定の退職金に特別退職金を加算するなどされますし、希望者には再就職支援を行うこととなっています。

40歳以上のオンワードの社員の平均年収は、

40~44歳・・・419.3万円
45~49歳・・・453.5万円
50~54歳・・・472.6万円
55~59歳・・・469.7万円
60~64歳・・・329.8万円

(引用元:就活の未来)
となっています。

会社都合で53歳 勤続年数20年とした場合

30.1万円×20×1.5

となり、早期退職の場合、さらに月収の2年分が加算されるようなケースが多いです。

となると、トータル1,700~2,000万円くらいになる予想です。

まとめ

アパレルの退職金は、基本給が比較的低い分、勤続年数が短ければ短いほど、わずかな退職金しか支払われない可能性があります。

また、正社員とアルバイトなど雇用条件によっても違います。

いろいろな理由で退職すると思いますが、やはり長い年数勤務することで退職金も多くなります。

転職などで退職する場合は、できるだけ前職の給与を上回る仕事に就くことも条件のひとつです。

また、就職や転職する際には、企業の退職規定をしっかりと理解しておくことで退職のタイミングなどを決めたりもできると思います。

勤続年数のちょっとした差で退職金に大きな差が出るのはもったいなかったりしますからね。