アパレルは給料安い?高い職種やブランド・本社勤務の相場

アパレル業界で働きたいけど、アパレルって給料安いんじゃない?

そんなふうに感じている方も多いんじゃないでしょうか。

ただ、ひと口にアパレルといっても職種はいろいろありますし、企業や扱うブランドによっても給料は違ってきます。

そこで、アパレルの給料の平均的な相場を職種や会社、ブランドなどから探ってみましたので、アパレルに就職や転職しようと考えている方は参考にしてみてくださいね。

給料は勤務年数や役職によっても違うので、一概に安い、高いとは言えないんですよね♪

アパレルの給料は高い、安い?

学歴別の初任給

アパレル業界の給料が高いのか安いのかを知る前に、まずは学歴別の初任給を調べてみました。

【令和元年(2019年)の学歴別初任給】

男女計 男性 女性
大学院修士課程修了 238.9千円 239.0千円 238.3千円
大学卒 210.2千円 212.8千円 206.9千円
高専・短大卒 183.9千円 184.7千円 183.4千円
高校卒 167.4千円 168.9千円 164.6千円

(出典:厚生省「学歴別にみた初任給」)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/19/01.html

12ヶ月で割ると、大卒男子の給料は、月、約17万7,333円
大卒女子の給料、月約17万2,416円となっています。

アパレル企業の初任給は?

次にアパレルメーカーが含まれる、産業の初任給を見てみます。

【卸・小売業】

男女計 男性 女性
大学院修士課程修了 235.7千円 236.2千円 233.9千円
大学卒 211.0千円 213.8千円 207.0千円
高専・短大卒 180.5千円 181.2千円 179.4千円
高校卒 168.4千円 170.7千円 166.2千円

【製造業】

男女計 男性 女性
大学院修士課程修了 235.8千円 236.0千円 234.3千円
大学卒 206.6千円 207.7千円 204.4千円
高専・短大卒 183.2千円 184.9千円 180.0千円
高校卒 166.3千円 167.3千円 164.2千円

(出典:厚生省「主な産業別にみた初任給」)

となっており、平均初任給よりも若干低くなっているようです。

ただし、アパレル業界に限らず、これらの初任給は、あくまでも平均額です。会社や職種、年齢によって、給料は平均よりも高い場合も、低い場合もあります。

アパレルで給料の高い職種は?

アパレル業界で働く場合、携わる仕事は、大きく分けると販売スタッフと営業やデザイナーなどの内勤、本社勤務のどちらかになります。

それぞれの職種によって給料は違ってきますので、詳しく説明していきます。

本社勤務の職種の給料は?

アパレルの本社勤務の職種には、

営業、DB、プレス・販売促進、生産管理、MD、事務(総務、経理)などがあります。

それぞれの給与がどれくらいなのか、見ていきましょう。

OEM営業の給料

OEM営業の平均年収や、約460万円です。

年代別では、

【OEM営業の年代別平均年収】
20代 330~380万
30代 500~550万

OEMは、アパレル企業の自社ブランド商品の製造委託を行います。

取引先や工場などとのパイプや人脈が重要視される職種で、アパレルの職種の中でも、30代後半、40代の平均給料が高い傾向が強く、アパレルの中では、給料が高い職種と言えます。

営業職の給料

アパレルの営業職の平均年収は、約440万円です。

年代別では、

【営業の年代別平均年収】
20代 約350~395万円
30代 約400~460万円

ただ、自社ブランドを展開している総合アパレルメーカーであれば、営業でも課長や部長など役職がついたり、管理職になれば、600~700万くらい、さらには幹部になれば、800~1,000万以上にもなります。

総合職として採用された場合、多くは営業職からスタートするアパレルメーカーが多いですので、ある程度の年齢、経験を積めば、給料が高くなっていきます。

プレスの給料

プレスの平均年収は、約420万円ほどです。

年代別では、

【プレスの年代別平均年収】

20代 350~360万
30代 460~480万

アパレルのプレスは、ファッション業界の未経験者がいきなり担当することは、少ないです。

一般的には、ブランドやファッショントレンドなどの知識などが求められるため、別の職種で経験を積みながら、プレス担当になったりします。

生産管理職の給料

アパレルの生産管理職職の平均年収は、約420万円です。

年代別では、

【生産管理の年代別平均年収】

20代 約300~370万円
30代 約400~460万円

営業職同様、生産管理の平均年収も年齢や経験を積み重ねていけば、さらに高くなっていきます。

生産管理は、工場へ指示を出すプロダクトマネージャー的業務と商品の品質向上の管理などを行う業務に分かれます。

MD経験者なども多く、専門的な知識や経験が求められるため、比較的給料も安定している傾向にあります。

MD(マーチャンダイザー)の給料

アパレルの生産管理職職の平均年収は、約420万円

年代別では、

【MDの年代別平均年収】

20代 約330~380万円
30代 約440~490万円

ブランドの商品展開を構築する上で、最も重要な職種なのがMDです。

そのため経験、年齢が上がり、チーフMDや携わるブランド事業の部長になれば、年収700~800万円からさらに上になる可能性があります。

事務職の給料

アパレル企業の事務職の給料は、平均年収で300~400万円程度です。

アパレルの事務職は、総務、経理、営業事務といったものでです。
総務、経理も役職がつくなどすれば、さらにアップしていきますが、営業事務や企画事務などの給料は平均的に、それほど高くはありません。

デザイナー職の給料

アパレルのデザイナーの平均年収は、約360万ほどです。

年代別では、

【デザイナーの年代別平均年収】

20代で、約300万~350万
30代で、約380万~450万

デザイナー職は、専門職になりますが、デザインだけでなく、企画力が求められます。トレンドを踏まえつつ、自社ブランドのニーズに対し、デザインを起こしていきます。

30代後半、40代になれば、年収はアップしていく可能性が高いです。

パタンナー職の給料

アパレルのパタンナーの平均年収は、約340万ほどです。

年代別では、

【パタンナーの年代別平均年収】
20代で、約290万~330万
30代で、約340万~370万

といったところです。

パタンナーの年収は、会社によっては、契約社員として採用しているところも多いため、デザイナーに比べるとやや低めです。

ただし、外注を受けるパタンナーは、複数の会社を受け持つため、その分、年収アップが見込まれます。

アパレル販売員の給料は?

アパレル販売員は、役職や雇用形態などによって給料は違います。

アパレル販売員の平均年収は、新卒の正社員で採用された場合、約200万~250万程度です。

アパレル販売員の給料【年収・手取り】店長や社員・バイトの平均相場

役職では、店長、副店長、チーフ、スタッフ、エリアマネージャー、一般スタッフなどでそれぞれ変わってきます。

また、アパレルの販売員は、正社員、契約社員、パート、アルバイトなどさまざまな形態で採用されることが多いので、どういう雇用形態かで、給料は違ってきます。

アパレルのブランドショップの店長になれば、年収350万~450万、実力があれば、年収600~700万円やそれ以上になるケースもありますよ。

アパレルで給料の高い会社・ブランドは?

アパレル業界の平均年収が高い企業ランキング

給料の高いアパレル企業のランキングです。
(出典:READY TO FASHION MAG 「アパレル企業の平均年収ランキング」)

やはり、人気ブランドのある知名度の高い会社が上位となっています。

同じアパレルで働くのなら、給料が高いブランドで、という方は、上位にランキングされた会社のブランドの求人情報をチェックしてみるといいですよ。

【1位】 ファーストリテイリング

平均年収は、536万円ほどです。

主なブランドは、PLST(プラステ)、コントワー・デ・コトニエ、セオリーなどで、現在8つのブランドをグローバルに展開しています。

【2位】三陽商会

平均年収は、434万円ほどです。

主なブランドは、レディース服では、AMACA(アマカ)、EPOCA(エポカ)、EVEX by KRIZIA(エヴェックス バイ クリツィア)、TO BE CHIC(トゥー ビー シック、
MACKINTOSH PHILOSOPHY(マッキントッシュ フィロソフィー)など。

メンズでは、THE SCOTCH HOUSE(ザ・スコッチハウス)、Paul Stuart(ポール・スチュアート)、LOVELESS(ラブレス)などがあります。

自社ブランドの他、海外のブランドとライセンス契約を結び、販売しています。

【3位】青山商事

平均年収は、400万円ほどです。

青山商事は、「洋服の青山」で有名です。

他にも、ザ・スーツカンパニー、ユニバーサル ランゲージ、ブルー エ グリージオといったブランドがあります。

【4位】アダストリア

平均年収は、368万円ほどです。

アダストリアは、渋谷ヒカリエに本社があり、カジュアル衣料、雑貨をメインにSPAブランドを展開しています。

主なブランドには、グローバルワーク、niko and …(ニコアンド)、ローリーズファーム、BAYFLOW(ベイフロー)、JEANASIS(ジーナシス)などがあります。

【5位】オンワード樫山

平均年収は、約338万円ほどです。

主なブランドは、レディースで、23区、組曲、ICB、自由区、J.PRESS LADIES(ジェイ プレス レディス)、Paul Smith(ポール スミス)

メンズでは、UNFILO(アンフィーロ)、J.PRESS MEN、JOSEPH MEN(ジョゼフ メン)、GOTAIRIKU(ゴタイリク)などがあります。

【6位】パル

平均年収は、333万円ほどです。

株式会社パルグループホールディングスは、大阪市中央区に本社があります。

主なブランドには、baseyard tokyo(ベースヤード トーキョー)、BEARDSLEY(ビアズリー)、Chico(チコ)、CIAOPANIC(チャオパニック)、COLONY 2139(コロニー トゥーワンスリーナイン)、DouDou(ドゥドゥ)、Kastane(カスタネ)などがあります。

【7位】ユナイテッドアローズ

平均年収は、307万円ほどです。

ユナイテッド・アローズは、セレクトショップの最大手です。

ストアブランドには、UNITED ARROWS、BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS、UNITED ARROWS green label relaxingなどがあります。

【8位】ストライプインターナショナル

平均年収は、303万円ほどです。

ストライプインターナショナルは、2016年3月に今の社名に変わりました。以前は、クロスカンパニーでした。

主なブランドには、earth music&ecology、E hyphen world gallery、YECCA VECCA、Green Parks、SEVENDAYS=SUNDAYなどがあります。

アパレルの外資系企業の給料は?

アパレルの外資系企業の給料は、日本のアパレル企業の平均よりも高めです。

一概にどれくらいということは言えませんが、例えば、中途入社の販売スタッフの場合、外資系企業の方が、3割程度給料が高い場合もあったりします。

要因としては、外資系企業の場合、中途採用なら即戦力となる人材を採用する傾向が強いためです。ヘッドハンティングされる場合もあったりしますから、給料が高いことが多いのです。

日本では、未経験者でも積極的に採用し、しっかりと人材を育てていく傾向が高く、その分、やや給料が低めになっています。

また、外資企業の中でも、特にハイブランドは、ファストファッション系より給料が高いようです

ハイブランドは、商品単価も高く、客層も富裕層が中心なので接客や高額商品を扱う対応力が重要視されているからです。

まとめ

アパレルの給料について、職種ごとや会社の平均年収をまとめてみました。

会社やブランドの業績によっても、給料は違ってきますので、転職や就職をする上で給料が高いことを最優先するならば、そういった会社を狙ってみるといいと思います。

また、どんな職種でも同じだとは思いますが、アパレル業界の仕事で給料を上げるためには、やっぱり経験と実績を積み上げていくことです。

未経験でいきなり高い給料が得られることは、一般的には難しいですので、その職種で信頼される実績を積むことが昇給の最短コースになりますよ。