アパレルの接客トーク!声かけから会話・クロージングまでのコツを公開


アパレルの販売員にとって、接客は必須です。そもそも接客しないと売れないケースがほとんどですからね。

接客で、いちばんのポイントとなるのが接客トークです。

どんなタイミングで声をかけ、どんな会話をしたら良いのか、とくに初心者の販売員さんには、悩みのタネだったりします。

そこで、これまでたくさんの販売員さんと接してきた僕の経験から、売れる販売員さんに共通する接客トークや会話術のコツをまとめてみました。

アプローチの仕方などに悩んでいる販売員の方は、参考にしてみてくださいね。

売れる販売員さんは、最初の声掛けから、しっかりとタイミングを考えてやっていますよ!

接客時のアプローチについて

アパレルの接客でアプローチの仕方について、説明します。

最初の声の掛け方は?

ファーストアプローチとなる最初の声掛けは、「いらっしゃいませ」です。これは、お客さんが、売場に入ってきたときにかける挨拶です。

お店によっては、「いらっしゃいませ、こんにちは」などと声を掛ける店舗やブランドもありますが、とくにどれが良いというのはありません。オーソドックスなもので構わないでしょう。

第一声は、あくまでも挨拶なので、声を掛ける際には、お客さんの方に顔を向け、笑顔ではっきりとした声で「いらっしゃいませ」と言いましょう。

売場でなにか作業をしている最中でも、きちんとお客様の方に顔を向け、声を掛けることです。

最初の声掛けは、お客さんに売場の印象を伝える役割があります。

第一声で、「あっ、愛想の良さそうな店員さん」って感じてもらえるような声掛けをすることがポイントです。

セカンドアプローチ

接客時のセカンドアプローチでは、どのタイミングで声を掛けるかが重要です。

最初の第一声で声を掛け、すぐにお客さんに近づいていくのは、逆効果です。というのは、お客さんは、売場に入ってきたときになにか気になる商品をチェックしたいと思っています。

そのときに販売員がぴったりそばにいるとめちゃくちゃ見づらいですよね。

したがって、まずはお客さんが、どんな商品を探しているのかなどを良く観察することです。

観察するときも身構えてじっとしているのではなく、作業などをしながらさりげなく観察することです。

声を掛けるタイミング

その後、お客さんが、商品を広げたり、手で触ってみたり、じっくり見ているタイミングで、声を掛けることです。

お客さんが、ある商品が気になって見ているのは、その商品について知りたいためです。そんなときに、接客してもらうとお客さんとしても、嫌な感じはしませんよね。

やみくもに声をだせばいいというものではないのです。
どこで声をかけてもらいたいのかを知ること、つまり、商品を手で触ったり、じっと見たりしたタイミングです。

その商品を試着したいとか、自分に合うかなとか、どうしようか迷っているときにさっと声をかけられれば、おしつけがましい接客にはなりませんよね。

接客でのセカンドアプローチでは、お客さんを観察し、どのタイミングで声をかけてもらいたがっているのかを知ることです。

入店してからのお客さんの動向をチェックしておくことがポイントです。

接客での話し方・褒め方

話し方は?

言葉使い

接客での話し方で気を付けたいのは、言葉使いです。お客さんによっては、友達感覚な口調の方もいます。また、明らかに自分より年下だと思っても、馴れ馴れしい言葉使いはNGです。

親しみやすさを演出しようとして、タメ口などで話すのは避けましょう。

きちんとした敬語で接客することが基本です。

とはいえ、極端に堅苦しい敬語を使う必要はありません。逆効果になることもありますからね。

やはり、笑顔でハキハキとした話し方をすることです。

また、お客さんとは一定の距離を保つことも大事です。あまりに近づきすぎたり、採寸や試着のとき以外に、お客さんの身体にむやみ触れたりしないようにしましょう。

不快に思う方もいますからね。

どんな褒め方がいいの?

アパレルの販売員にとって、お客さんを褒めるスキルは大事です。

だれでも、自分に関することを褒められれば悪い気はしませんからね。ただ、褒め方によっては、お客さんを不愉快にさせてしまうこともあったりします。

そこで、褒め方の例をいくつかピックアップしますね。

お客さんの持ち物を褒める

まずは、お客さまのバッグや靴、アクセサリーなど持っているものを褒めると効果的です。

「すごく素敵ですね」
「とても似合ってますね」
などの褒め言葉などで褒めるといいですよ。

また、お客さんの着ているもの、持っているものが自社の商品だとわかれば、「いつも、ありがとうございます」とお礼を言うのも大事です。

そこから、会話が広がることもありますからね。

とはいえ、新人の販売員さんは、そのあたりがわからないと思うので、自信がない場合は、無理しない方がいいかもしれません。

褒めたあとで、「ここで買ったのよ」なんて、言われたら、かえって、気まずかったりしますからね。

ただ、そんなときも「ごめんなさい。入ったばっかりなんです」と正直に打ち明けてしまうのもアリかなと思います。

そのへんは、臨機応変に対応していきましょう。

容姿や外見のことは積極的に褒めない

接客でお客さんを褒める場合、ストレートに容姿や外見的なことは褒めない方が良いです。

容姿に自信がある方は、日頃から褒められ慣れていることが多いので、「またか・・・」と思われることがあります。

それよりも、着こなし方や持っているものを褒めることです。プロの販売員から、センスの良さを褒められる方が、お客さんにとっては嬉しいものですからね。

また、容姿などを褒める場合は、商品と関連させながら褒めると効果的です。

「肌が白いから、◯◯のような色の服が映えますよ」
「脚が細いから、◯◯丈のスカートが似合う」
「手がキレイだから、袖にアクセントのある◯◯が似合う」などあくまでも提案する服やコーディネートと絡めながら褒めたりすると良いですよ。

子供や同伴者を褒める

子供連れなら、お子さんを、ご夫婦やカップルでの来店なら、ご主人や彼氏を褒めるのも効果的です。

別に特別な褒め言葉でなくても、「かわいいお子さんですね」、「しっかりされてますね」などや、「優しそうな旦那さん(彼氏)ですね」などと褒めると良いですよ。

褒めることは大事ですが、やたらと褒めまくるのは、かえって逆効果です。お客さんのタイプや表情などを観察しながら、自分が言われたらどう思うかということも考えながら、褒めるようにすると良いですよ。

アパレルの接客話術・聞き出し方

世間話や日常会話

まずは、お客さんとの会話が大事ということで、

「お仕事は?」

「どちらにお住まいですか?」など

いきなりプライベートなことを聞くのはNGです。

このような質問は、服を探しに来ているお客さんを不快にさせるだけです。

販売員から世間話や日常会話を切り出すにしても、あくまでのお客さんが探している服と結びつけながら話すようにしましょう。

世間話と言っても、例えば天候の話題などで、「こんな天気のときなら、〇〇のようなアイテムとかがあると便利ですよ~」みたいなもので十分です。

世間話や日常会話をしなくちゃと意識しすぎて、

「最近、〇〇ですよね」
「ええ、そうですね」
「・・・・」
のように後が続かない会話にならないよう、気をつけましょう。世間話から、いかに洋服に話をつなげていくのかがポイントです。

ニーズを聞き出すためには?

アパレルで接客するうえで、お客さんがどんな服を探しているのか、アイテムや色、デザイン、素材などを把握する必要があります。

質問の仕方

お客さんのニーズを聞き出そうとやたらと質問するのはおすすめしません。

アプローチのときに、お客さんがチェックしている服について、「〇〇ですよね~」「〇〇のようなのをお探しですか?」などとの聞いて、それでお客さんの反応を見ましょう。

興味がないとかうざいと思ったお客さんは、おそらく無視して去っていくでしょう。これはこれで諦めましょう。接客でふられることは当然ですからね。

一方、チェックしている商品やそのブランドの服が気になっているお客さんであれば、販売員から話しかけられれば、何かしら自分から質問などをしてきます。

販売員としては、質問されたことから話を広げていき、お客さんの好みを聞き出していく会話力が必要です。

お客さんのニーズを唐突かつ露骨に聞きだすのではなく、あくまでも会話の中から、好みや趣味などを察知したら、質問して確認し、それならこういった傾向の服やコーディネートは、どうかという提案ができるようなトークをしていきましょう。

提案する

接客には、商品の提案力が鍵になります。

お客さんのニーズに合う、これは似合うと思ったら、コーディネートして提案しましょう。

さまざまなパターンで組み合わせながら、コーディネート提案を見せることです。実際に、売れる販売員は、商品提案力があります。

逆に売れない販売員は、提案のパターンがワンパターンだったりするので、お客さんがその提案内容に納得しなかった場合、次の提案ができずに終わってしまうことが多いのです。

提案はお客さんの反応を観察しながら、いろいろなバリエーションで提案していくことが必要ですよ。

接客でのクロージング

クロージングの必要性

アパレルに限らず、接客する目的は、売上げです。要するに、買ってもらうこと。もちろん、お客さんが満足してもらった上で購入してもらうことです。

クロージングは、そのために必要なスキルです。
しかし、販売員によって、接客=お客さんと接することと思い、単なる「感じの良い販売員」になってしまうケースがあります。

こういうタイプは、接客でのセールストークにも出てしまいます。お客さんの言うことにすべて同調するだけで接客が終わってしまうので、最後の購入に至らないことが多いのです。

迷っているお客さんに納得してもらい、購入してもらうためにはクロージングが欠かせないのです。

クロージングの方法

【クロージングのポイント】

・お客さんが自分で決められるよう選択肢を提案する(多くても3つほど)
・購入後のメリットなどをイメージさせる
・お客さんが心配していることをクリアする

といった感じで、お客さんが自分で購入を決定しやすい環境を作ってあげることです。

例えば、予算の心配をしているのなら、分割払いの提案や同じようなもので、価格の安い商品を提案するなどで「だったら買える」と思えるような環境を作るのです。

また、どの商品にしようか迷っているときなどは、たとえば、3つの選択肢があるなら、まず2択で選んでもらい、最終的にひとつに絞ってもらう方法などもおすすめです。

すべてお客さん自身が決めているので納得感をもってもらいやすいですからね。

また、なかなか購入に踏み切れないでいる場合は、迷っている理由を聞き出してあげると良いですよ。

理由がわかれば、それを解決してあげることで購入に至るケースが増えます。

クロージングは丁寧に対応することで、たとえ、その日に購入されなかった場合でも、後日来店して、同じものを購入したり、別のものを購入してくれるなんてこともありますよ♪

覚えておきたい!アパレル店員の接客用語

敬語は正しく使う

接客だからと特別な言葉や用語を使う必要はなく、きちんとした言葉使いができることが基本です。

相手は、お客様です。正しい敬語を使えるようにしましょう。

【敬語の基本】
尊敬語~相手を敬うときに使い、敬意を示す言葉。
丁寧語~語尾の「です」、「ます」や言葉に「お」「ご」などをつけるなどで相手への敬意を直接的に示す言葉。

謙譲語~自分自身を謙遜、へりくだって言う表現。

尊敬語・謙譲語の例文

基本的なものをまとめてみました。

言葉 尊敬語 謙譲語
言う おっしゃる 申し上げる
行く 行かれる 伺う
聞く お聞きにある 拝聴する
見る ご覧になる 拝見する
知る ご存知 存じ上げる
会う お会いになる お目にかかる

丁寧語の例文

言葉 丁寧語
対応します 承ります
すみません 申し訳ございません
できません いたしかねます
いいですか よろしいでしょうか
どうですか いかがでございますか
いいですか よろしいでしょうか
来ます 参ります
そうですか さようでございますか
戻ったらすぐ 戻り次第

実は間違い?こんな表現に気をつけよう

間違いやすい表現です。気をつけましょう。

「◯◯円からお預かりします」 →「◯◯円お預かりいたします」
「よろしかったでしょうか」 →「こちらの◯◯でよろしいでしょうか?」
「なるほどですね」 →「そうなんですね」、「かしこまりました」
「◯◯は、こちらになります」 →「◯◯は、こちらでございます」
「◯◯で◯◯いただく形になります」 →「◯◯で、◯◯ください。◯◯いただいてよろしいでしょうか」
「お名前をちょうだいします」 →「お名前をご記入お願いします」

知っておきたい接客用語

「~のような方に人気です」

単に「売れてますよ~」とか「人気ですよ~」と言うよりも、「~のような」と具体的に示してあげるとお客さんにもわかりやすいですよ。

「~が、可愛いですよね」

接客で「可愛いですよ~」と言うだけよりは、具体的にどの部分がどう可愛いのかを伝える方が、お客さんにもわかりやすいです。

また、それによって質問される場合もあります。単に可愛いだけでは、お客さんも「そうなんだ」で終わってしまいますからね。

「またのご来店をお待ちしております」

購入されたお客さんを見送るときに、「ありがとうございました」の後に「またのご来店をお待ちしております」を言うと「また来ようかな」とつい感じてしまうものです。

こういうちょっとした言葉を足すことで販売員の印象が変わってきますよ。

まとめ

アパレルで接客時のトークや声掛けは、お客さんに、自分を信頼してもらえるためのきっかけになります。

お客さんにとっては、自分では思いつかなかったコーディネートなどをプロにアドバイスや提案をしてもらいたいものです。

接客での会話から、お客さんのニーズや好みを察知し、商品の提案をしていくことが大事です。

どんな会話をしたらいいのかと考えるより、どういう会話をすれば、服の好みやニーズが聞き出せるかを考えていくといいですよ。