BitLockerで回復キーを毎回求められる原因と対処法【Windows10/11】

BitLockerで回復キーを毎回求められる原因と対処法

BitLockerを有効にしていると、起動するたびに毎回回復キーが求められるなんてことがあります。

パソコンの電源を入れるたびに長い数字を入力するのは非常に手間で、業務や学習にも支障が出てしまいますよね。

この記事では、そんな悩みを解決するために、

BitLockerに回復キーを毎回求められる原因と、確実に解消するための手順をわかりやすく解説していきます。

Windows10・Windows11どちらの環境にも対応していますので、チェックしてみてください!

1. BitLockerで回復キーを毎回求められる主な原因一覧

BitLockerはなんらかの理由で「起動時の状態が変化した」と判断した場合、セキュリティ保護のため回復キーを求めます。

毎回求められる場合は、以下のいずれかの原因が多くを占めます。

1-1. TPM(セキュリティチップ)が正しく動作していない

TPMはBitLockerの鍵を管理する重要なチップです。

TPMがエラーを起こすと、Windowsは安全のためBitLockerに毎回回復キーを求められます。

  • TPMの一時的なエラー
  • TPMが無効化された
  • TPMデータの破損

1-2. BIOS/UEFIの設定変更(Secure Boot・TPM無効化など)

BIOS設定が変わるとBitLockerは「不正な起動」と判断し、BitLockerが毎回回復キーを求めることがあります。

  • Secure Bootがオフになった
  • Legacy Bootになった
  • TPMが無効化された

1-3. Windows Update による起動構成の変更

ウインドウズの大型アップデート後にBitLockerが誤作動し、再起動のたびに回復キーを求められるケースがよくあります。

1-4. SSDやメモリの交換・増設によるハードウェア変化

ハードウェア変更はBitLockerが最も敏感に反応するポイントです。

特にSSD交換前にBitLockerを一時停止していない場合に発生します。

1-5. デュアルブート・外付けデバイスの影響

USBメモリや外付けHDDが接続されたまま起動すると、BitLockerが“起動構成が変わった”と判断する場合があります。

 

この場合も、BitLockerに毎回回復キーを求められてしまいます。

1-6. ローカルアカウントでBitLockerを使用している

Microsoftアカウントに接続していない場合、BitLockerの回復キー管理情報がクラウドに保存されず、誤作動が起きやすくなります。

2. BitLockerの回復キーを毎回求められるときの対処法!

以下の手順を上から順に試すことで、多くのケースは改善できます。

2-1. TPMを再初期化して正常に認識させる

TPMが正常に動作していない場合、初期化で改善することがあります。

  1. 「Windowsキー + R」を押して「tpm.msc」と入力
  2. 「TPMの初期化」を実行
  3. 再起動

※初期化してもBitLockerのデータは失われません。

2-2. BIOS/UEFIの設定を確認する

以下の設定を確認してください。

  • Secure Boot → 有効
  • TPM(PTT/TPM2.0) → 有効
  • Legacy Boot → 無効
  • Fast Boot → 無効推奨

設定変更後はBitLockerが起動構成を正常に認識し、回復キー要求が止まるケースが多くあります。

2-3. 外付けUSB/SDカードを外して再起動

起動時にUSBメモリが刺さっているとBitLockerが誤判定し、回復キー入力画面になることがあります。周辺機器をすべて外して起動してみてください。

2-4. BitLockerの「保護の一時中断」を実行する

BitLockerの誤作動が原因の場合、以下の手順で復旧することがあります。

  1. 「コントロールパネル」→「BitLockerの管理」
  2. 対象ドライブの「保護を一時中断」
  3. 再起動
  4. 「保護を再開」

これによりBitLockerが再構成され、毎回の回復キー要求が解消される例が多数あります。

2-5. BitLockerを一度解除して再度有効にする(最終手段)

他の方法ですべて改善しない場合は、BitLockerの解除 → 再暗号化が最も有効です。

時間はかかりますが、構成をゼロから再構築するため、再発しにくい方法です。

3. 再発防止のための設定とチェックポイント

3-1. TPM と Secure Boot を常に有効にする

BitLockerの安定稼働に必須の設定です。特にTPMは誤ってオフにしないよう注意しましょう。

3-2. Windows Update 前に BitLocker を一時停止する

大型アップデート前は一時停止が推奨されます。誤動作が大幅に減ります。

3-3. SSD・メモリ増設の前に BitLocker を停止する

ハードウェア変更前に「保護の一時中断」を忘れずに実行しましょう。

3-4. Microsoft アカウントに回復キーを保存する

クラウドに保存しておくことでトラブル時の復元が容易になり、安全性が高まります。

4. よくある質問(FAQ)

4-1. 回復キーを紛失した場合の復元方法は?

Microsoftアカウントにログインすると自動保存されている場合が多いです。

4-2. ローカルアカウントでもBitLockerは使える?

利用できますが、回復キーを紛失しやすく、毎回要求されるトラブルも起きやすいです。

4-3. 毎回の回復キー入力は故障のサイン?

TPMやマザーボードの故障が原因の場合もあります。原因の切り分けが必要です。

4-4. 回復キーを無効化することはできる?

BitLockerは、会社支給のパソコンなどパソコンを外に持ち出す場合など、

第三者へのデータ漏洩等を防止してくれる機能です。

個人使用で、パソコンを扱う場合は、そこまで高度なセキュリティは必要ない人がほとんどです。

↓BitLockerの解除方法↓はこちらの記事を参考にしてみてください!

BitLocker の解除手順(Windows 11・10共通)+トラブル対処法まとめ BitLocker の解除手順(Windows 11・10共通)とトラブル対処法まとめ

5. まとめ

BitLockerで毎回回復キーが求められる原因は、TPM・BIOS設定・Windows Update・ハードウェア変更など、PCの起動構成に関わる要素がほとんどです。この記事で紹介した対処法を順に試すことで、多くのケースは解決できます。

それでも改善しない場合は、TPMチップの故障や基板の問題の可能性があるため、メーカーサポートに相談することをおすすめします。