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BitLockerを解除しようとしたときに何らかのエラーが出たり、回復キーを入力しても解除できないケースが起きることがあります。
そんな緊急のときの最終手段としてBitLockerを強制解除する方法について解説していきます。
ただし、強制解除はデータを失うリスクもあり、通常解除とは対処方法や注意点が大きく異なります。
この記事では、
BitLockerの強制解除とは何か
通常解除との違い
強制解除の安全なやり方
強制解除の前にやるべき確認
データを守るための注意点
を、わかりやすく解説していきますので、最後までお読みください。
◆ BitLockerとは?
まず、前提知識としてBitLockerはWindows 10 / 11に標準搭載されている暗号化機能です。
HDDやSSDのデータを暗号化し、回復キーやTPMチップなどで認証しないと読み取れないように保護しています。
- 盗難・紛失などの際にデータが流出しない
- システムレベルで強固な暗号化
- OS標準で追加費用なしで使える
というメリットがあります。
ただし、システムトラブル、TPM破損、回復キーの紛失などで 自分自身でも解除できなくなるケース が起きることもあります。
BitLockerの通常解除と強制解除の違い
通常解除
Windowsから正規の手段で暗号化を解除する方法で、最も安全です。
- 設定画面から解除
- 回復キー入力で解除
- データは損なわれない
通常は以下の手順で解除できます。
- 設定 → 更新とセキュリティ
- デバイスの暗号化 または BitLocker管理
- 「無効化」を選択
これでデータが保たれたまま復号化が進みます。
BitLocker の解除手順(Windows 11・10共通)とトラブル対処法まとめ
BitLockerの強制解除
通常の方法で解除できない場合に、コマンドなどを使って強制的にBitLockerを強制解除する方法です。
強制解除は、
- 回復キーが使えない
- TPMチップのエラー
- Windowsが起動できない
などのトラブル時の対処法です。
ただ、気を付けたいのは、
- 復号処理の途中でデータが破損する
- OSが起動しなくなる
- 修理業者でも復旧が難しくなる
などのリスクがある 最終手段 と考えてください。

BitLockerが解除できない主な原因
BitLockerが解除できず、強制解除を検討するケースには以下のケースがよくあります。
- Windows Update後に突然ロックされた
- 回復キーが手元にない
- キーボード配列の違いで入力できない
- TPMが故障して認証が通らない
- Windows自体が起動しない
- 外付けストレージへの接続不良
特にWindows Update後は、セキュリティチェックが強化され、本人が使用する場合でも回復キーを求められることがあります。
強制解除の前に必ず確認すべきこと
強制解除はリスクが大きいので、以下のことをチェックしておきましょう。
① 回復キーを正しく探したか
Microsoft公式では回復キーはここに保存されます。
- Microsoftアカウント(web)
- 印刷した紙
- USBメモリ
- 職場・学校アカウントによる管理
- Azure AD
Microsoftアカウントでログインすれば回復キーがある場合が多く、見落としているケースもい多いです。念のため、再確認しておきましょう。
BitLocker 回復キーの確認方法【スマホ】パソコンが開かない時の解決策
② キーボード配列を確認
BitLocker入力画面は英語キーボード配列になることがあるため、
- 「-」や「@」
- 記号入力
が普段と違う位置になる場合があり、そのために回復キーを入力しても解除されないこともあります。今一度、確認しましょう。
BitLockerが動かない!キー入力できない原因と解決策【Windows10/11】
③ 別PCで認証を試す
外付けSSD/HDDの場合は、他のPCで再度回復キー入力してためしてみましょう。
④ Windowsの「スタートアップ修復」
OS自体が破損している場合は修復操作で解消できることがあります。
ひととおり、ここまで試してみて、それでもダメな場合は、BitLockerの強制解除を検討してください。
BitLockerを強制解除を安全に実行する方法
ここでは安全に実行するための一般的な方法を3つ紹介します。
① コマンドプロンプトで強制解除
Windowsの回復環境、または別PCから以下を実行します。
manage-bde -off C:または無理やり実行する場合
manage-bde -force -off C:終了まで時間がかかり、中断するとデータ破損の可能性があるため注意してください。
② Windows回復環境から解除
Windowsが起動しない場合は、
- 回復メニュー → コマンドプロンプト
- 「manage-bde」コマンドを実行
という流れになります。
暗号解除は物理的な処理が行われるため、途中でPCの電源が落ちないよう注意しましょう。
データ復旧ツールまたは業者に依頼
データを最優先したい場合は、専門業者を利用するという選択肢も考慮しましょう。
- BitLocker対応ツール
- 専門の復旧サービス
ただし、費用がかかります。数万円から10万円を超える場合もあります。
BitLockerの強制解除はリスクが大きい
強制解除はあくまで最終手段であり、その分、大きなリスクを伴います。
例えば、復号中にデータが破損する、OSが二度と起動しなくなる、専門業者でも救えない状態になる、別ドライブまで巻き込む危険があるなど。
特に、途中で電源が落ちると深刻なダメージになるため注意が必要です。
BitLockerの強制解除をしてはいけないケース
以下に該当する場合は、即時の強制解除は避けましょう。
- 回復キーをまだ確認していない
- 仕事用PCで他人のデータが含まれる
- 暗号化状態のバックアップがない
- データ復旧の必要性が高い
データが必要な場合は、強制解除より先に「復旧優先の対応」が必要です。
強制解除後にやるべきこと
BitLockerの強制解除が成功したら、以下を行いましょう。
- データをバックアップ
- BitLockerを再設定
- 回復キーを複数経路に保存
– Microsoftアカウント- USB
- 印刷
- Windows Update前に設定内容の確認
トラブルの再発防止には回復キー管理が大事です。
まとめ
- BitLockerはデータ保護に優れた仕組み
- 解除できない場合は原因を冷静に整理
- 強制解除は「最終手段」であり、リスク大
- コマンド実行には十分な注意が必要
- データが必要なら復旧優先の行動を
BitLockerは便利で優れた機能ですが、その分、敏感に反応するし、トラブル時は対処に専門知識が求められたりします。
BitLockerの強制解除は安易に行わず、必ず知識がある人に確認するなど慎重に対応しましょう。
まずは回復キーの確認・バックアップなど安全な対応を心がけておくことが大事です。

